入れ歯と上手に
付き合うことで、
もっと楽しく快適に暮らせる
MORE FUN AND COMFORT
入れ歯を使うのは目立ってしまって恥ずかしい、噛みにくいイメージがあるなど、進んで受けたい治療ではないかもしれません。歯が欠損して入れ歯を作ったけれど、あまり使っていないという方もいらっしゃいます。
しかし、欠損部分を放置していると、歯並びが悪くなったり、向かい合う歯が伸びてきたりと、より多くの歯を失う原因になりかねません。そういったトラブルを防ぐためにも、入れ歯と上手に付き合えるように、患者様自身が知識を身に付けることが大切だというのが、当院の考えです。
RISk
お口に合わない入れ歯には
様々なリスクがあります
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肩こりや頭痛のもとになる
噛み合わせが悪いと顎の位置がズレて、首や肩の筋肉に負担がかかります。そこから、頭痛や腰痛などを引き起こしているケースも少なくありません。
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食事や会話が
楽しめなくなる入れ歯がずれたり外れたりしやすいと、食べ物をしっかり噛めないだけでなく、落ち着いて会話ができなくなります。
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歯が移動して
歯磨きがしにくい入れ歯との噛み合わせが悪いと歯並びも悪くなり、歯磨きが難しくなります。それにより、残った歯が虫歯や歯周病になる可能性が高まります。
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噛み合わせが変化する
入れ歯に使われる人工歯は柔らかい素材でできているため、日々の食事や食いしばりなどが原因でどんどん擦り減っていき、噛み合わせのズレを招きます。
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吐き気や痛みの原因になる
入れ歯と歯茎が合っていないと噛むだけで痛みを生じたり、喉付近の粘膜を刺激して嘔吐反射が誘発されたりします。
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口腔がんを発症する
リスクがある合わない入れ歯が粘膜を刺激し続けることで、組織が変異してがんを発症する可能性があります。
入れ歯の治療法
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部分入れ歯
他に天然歯が残っている場合に使用する入れ歯です。残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて安定させます。バネの素材は入れ歯の種類によって異なり、レジン(合成樹脂)あるいは金属のものが一般的です。ブリッジのように歯を大きく削りたくない方や、インプラントが選べない方などにご提供しています。
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総入れ歯
上顎・下顎のどちらか全ての歯を失った際に使われる入れ歯です。床(しょう)と呼ばれる土台に人工歯が並んだ形状で、お口元の見た目を再現しています。固定源がないため、唾液を介して粘膜と入れ歯を吸着させるため、部分入れ歯より安定性に劣ります。
TYPE 入れ歯の種類
レジン床義歯
保険適用の入れ歯は、レジン床義歯のみとなります。構造としては、床が歯肉に馴染む色の樹脂素材でできており、その上に人工歯が並んでいる形状です。保険のレジン(樹脂)は強度が低いため、破損をある程度防ぐために厚みを持たせる必要があり、装着時の違和感が強くなります。また、部分入れ歯の場合はバネが金属製で、外から見て目立つのも特徴の一つです。
メリット
- 保険適用で安価
- どの歯科医院でも修理・調節可能
デメリット
- 装着時の違和感が強い
- 衝撃により割れる可能性がある
- 安定性が低い
- 金属のバネが目立つ
金属床義歯
床は金属製、歯茎付近がレジンで作られている自由診療の入れ歯です。金属によって強度が確保されたことで薄くなり、装着時の違和感も軽減されています。金属の熱伝導により、冷たい物や熱い物の温度感をそのまま感じられるため、より充実した食事ができるのが特徴です。
メリット
- 強度が高く壊れにくい
- 装着時の違和感の軽減
- 食べ物の温かさや冷たさが伝わる
- レジン床に比べて安定性が高い
デメリット
- 自由診療の対象でコストが高くなる
- 破損時の修復が難しい
- 金属のバネが目立つ
- 金属アレルギーの方は使用できない
ノンクラスプデンチャー
全体が特殊なレジン(樹脂)で形成されている、自由診療の入れ歯です。金属が一切使われていないため、金属アレルギーの方も安心してご利用いただけます。歯茎部分は薄くて透明感があり、装着時に口腔内へなじむことから、入れ歯の中で最も審美性が高いといわれています。
メリット
- 最も審美性に優れている
- 軽くて違和感が少ない
- 柔軟性があり歯や粘膜を傷付けにくい
デメリット
- 自由診療の対象でコストが高くなる
- 破損時の修復が難しい
- 素材が特殊で製作期間が長くなる
- 耐久性が低く、機能を維持しにくい
インプラントデンチャー
顎全体に2本から4本のインプラント(人工歯根)を埋め込み、そこに入れ歯を固定することで、他の入れ歯とは比べ物にならない安定性が得られるのが、インプラントデンチャーの特徴です。入れ歯がずれたりガタついたりしないため、食事や会話をストレスなく楽しめます。付け外しもできるため、通常の入れ歯のお手入れや口腔ケアも簡単です。
メリット
- 患者様や介護者が付け外しできる
- 会話や食事の邪魔にならない
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欠損歯を全てインプラントに
置き換えるより負担が少ない
デメリット
- 自由診療の対象でコストが高くなる
- 食後に入れ歯のお手入れが必要
- アタッチメントが経年劣化する
- インプラント単体より噛む力が劣る
特殊義歯治療とは?
一般的な入れ歯が噛む機能をある程度回復することを目的としているのに対し、特殊義歯はより機能的かつ見た目や装着感を重視して作製されています。機能性をより重視する場合、コーヌスクローネ(テレスコープデンチャー)と磁性アタッチメントの機能をミックスした入れ歯もご提案いたします。コーヌスクローネは、歯の根に円柱型の土台を埋め込み、入れ歯に金属の円管を仕込むことで、茶筒のように噛み合って固定される入れ歯です。この金属部品を磁石で作製することにより、外れにくく噛んでも動かない状態を、長期的に維持することができます。
また、一つの入れ歯をどんな時も使うのが普通だと思われているかもしれませんが、状況に合わせて洋服を着替えるように、複数の入れ歯を使い分けても良いというのが、当院の考えです。
MESSAGE
入れ歯治療の前に
知っていただきたいこと
「入れ歯は作ってすぐに使えるもの」というのが、一般的なイメージです。しかし、実際には使いこなせるようになるまでに、義手や義足のようにある程度の調節や使用訓練を必要とします。
初めて入れ歯を使用される場合、使いにくさや違和感からだんだんと入れ歯を付けなくなってしまう方も、残念ながら少なくありません。そこで諦めず、根気強く調節を重ねていけば、いずれは自然な噛み合わせを再現できるようになります。
また、お口の中は日々変化しているので、最初はぴったりだった入れ歯が合わなくなる可能性も十分にありえます。定期的に調節を重ね、その時々のお口の状態に合った形状にすることで、いつでも快適な入れ歯生活を送れることを、ご理解いただければ幸いです。